院内処方

当院は院内処方を基本としています。


あなたは今の薬代でため息をついていませんか?
医療費の負担増大は馬鹿になりません・・・。
もしお困りであれば、院内処方があなたの負担を軽くしてくれるかもしれません。


院内処方について 目次
  1. 院内処方とは
  2. 院内処方のメリットとデメリット
  3. 患者さんへのお願い
  4. 最後に

院内処方とは

院内処方とは、クリニックで直接薬をもらい薬局を介さないシステムで薬を受け取ることです。
薬局で支払うお金は薬代だけでなく調剤技術料、管理料などが加算されています。
調剤技術料とは粉薬や塗り薬を調剤したり出来上がっている錠剤を袋に入れる事にかかる費用です。
管理料は患者さんがどのような薬を飲んでいるのかを一元管理して飲み合わせなど悪いことがないかどうかを専門家が管理するための費用です。

それらのうち薬代と僅かな管理費だけなのが院内処方です。
具体的な例をご覧ください。

例)標準的な高血圧の薬1種類4週間分処方の場合、1割負担で

医院 薬局 合計
院外処方せん 880円 1,000円 1,880円
院内処方 1,300円 0円 1,300円

患者さんの負担はざっくり2/3になります。見かけ上医院の収入が増えているように見えますが薬代が入っているので医院の収益も2/3程度になります。

さてここまで見てくださったら患者さんにとっては院内処方はメリットばかりですよね。勿論メリットだけでなく、デメリットもあります。しかし患者さんのことを考えれば、総合的に考えて院内処方が良いだろうと思い院内処方を選択いたしました。

それでは以下、メリットデメリットをあげていこうと思います。
院外処方を希望される方は遠慮なさらずにお申し出いただければと思います。



院内処方のメリットとデメリット

● 患者さんのメリット

トータルの患者さんの代金が安くなる(先にも述べたように約2/3になります)


● 患者さんのデメリット


● 医院のメリット

薬の差益が利益となる(昔は利益が取れたようですが現在は納入価と販売価格にほぼ差はありません)


● 医院のデメリット


さて総括すると医院にとってはあまりメリットがないシステムであることが分かると思います。
当たり前ですよね、院外処方にすると新たにそれを管理する薬局が維持できて利益がでるようにお金が必要になります。
国の政策として院内処方から院外処方への誘導があるため、院内処方は人件費、在庫リスク、消費税などを考えるとほぼ利益なし・・・というか場合によっては赤字という状況です。

ではなぜ院内処方を当院が選んだかといえば2つ理由があります。

まず一つ目に患者さんのメリットです。
確かに待ち時間は長くなってしまいますが、医院を出て、また薬局に行き、そこでまた待って、コストを余分に払うことと比べれば絶対に院内処方の方が患者さんのメリットになります。
そして現在物価高騰が進みみんな家計はひっ迫していると思います。少しでも、患者さんに寄り添える医院でありたいという思いから院内処方を選択しました。

2つ目はより大きな話になりますが現在医療費が国家財政の圧迫をしているのはご存じの通りだと思います。
出来ることからコツコツ医療費を減らす努力を医療機関がすることが大切ではないかと思って今回院内処方に取り組みます。



患者さんへのお願い

さて、ここまで院内処方について語らせていただきましたが、当院をご利用くださる患者さんには下記の事を御理解いただければ幸いです。


1.他院のくすりを飲まれている場合は医師に薬手帳をお見せください

診察中に医師がお薬手帳を確認し処方内容を確定します。
専門の薬剤師が調剤を行うわけではないので、医師が確認していない薬が後から出てきても対応が難しくなります。また他院処方の内容が専門的で医師に判断が付きかねるなどの場合は、院外処方箋として専門の薬剤師に確認をしてもらった方が安全と言えます。



2.ジェネリックや先発品などの指定はできません

先述したように限られたスペースに薬を保管しております。そのためジェネリックのメーカーの指定や先発品の指定などに対応することがどうしても困難になります。そのような場合は院外処方箋で対応可能ですので仰ってください。



3.長期処方(28日を超える)は院内処方ではできません

前項と同様の理由で在庫の兼ね合いであまり大量の処方をお一人にお渡しすることができません。29日以上の処方箋をご希望される方はそのようにお申し付け下さい。病状が良く医師が可能と判断する場合は院外処方箋で対応します。



4.薬を受け取り時に薬が合っているかご確認ください

受け取られたお薬は細心の注意を払って当院で調剤を行っています。
しかし専門薬剤師が調剤しているわけではないのでどうしても間違いが生じることがあります。
そのため医院の調剤お渡しの際に患者さんと一緒にお薬の確認を行い、間違いがないことを確認の上お渡しするようにしています。
ですので帰宅後に内容の変更などは受け付けられないという点だけご理解いただければと思います。
なお確認が困難な場合は前項通り院外処方箋の発行を行いますのでお申し付けください。



最後に

当院は院外処方を否定しているわけではありません。
かかりつけ薬局を持つことで複雑な処方や、複数の病院にかかっておられる患者さんの服薬管理をしっかりしていただける場合などは、院外処方のコストを御負担いただいても十分にメリットがある場合もあると思います。
また小児や乳児の精密な薬剤調合は、やはり専門の薬剤師の管理が必要であることも理解しております。
このことから、患者さんが院内処方を望んでおられても、「今回は院外処方でお願いします」と、お伝えすることもあることもご了承いただけたらと思います。

ですが当院で多く診察させていただく循環器疾患患者さんに置かれましては現状院内処方が患者さんにとってメリットが多いと判断しこのような体制をとらせていただきます。
今後院内処方の体制維持が困難な場合は諦めざるを得ない事もあるかと存じますが、出来る限り地域の患者さんに寄り添う医院でありたいと思っております。よろしくお願いいたします。



尼崎塚口もりもと循環器内科・内科